• 『高1ですが異世界で城主はじめました(HJ文庫)』を刊行中の鏡裕之氏の発言と対話
  • 鏡裕之@『城主はじめました3』5/30 @boin_master 2014-06-29 09:10:02
    この頃、ライトノベルで、

    「ええ」

    じゃなくて

    「「「ええ」」」

    っていう、括弧の畳用を見かけるのだけれど、あれ、何?
    ああいう表現は文章力を上げないので、やめた方がいいと思う。

    括弧を重用しないで意図を実現するのが、プロの作家。
  • 鏡裕之@『城主はじめました3』5/30 @boin_master 2014-06-29 09:40:16
    たとえば3人が同時に同じ台詞を言ったうことを表現しようとして、

    「「「えっ!」」」

    とカギ括弧の力を借りて安易に表現するのではなく、地の文で3人の声が重なり合っているようにイメージさせる。

    それがプロの仕事だし、文章力だと思う。
    カギ括弧を重ねるのはズルをしているだけ。
  • 鏡裕之@『城主はじめました3』5/30 @boin_master 2014-06-29 09:42:19
    文章表現でズルをして、文章力が伸びるということはありえない。
  • 鏡裕之@『城主はじめました3』5/30 @boin_master 2014-06-29 09:44:21
    文章を書いて生きよう(文章表現で生きよう)って人がズルをしたら、だめだと思う。
  • 補足:ライトノベルの同時発話の表現例

    例1:カギ括弧の畳用

    「なんだと肉……この私の素晴らしいセンスを侮辱するつもりか……?」
    「どこが素晴らしいのよ! 脚本ならあたしの神的なセンスで神脚本を書いてあげるからあんたは大人しくしてなさい!」
     睨み合う二人に俺は嘆息し、
    「ハア……まあ夜空には前科があるからな。ここは俺がユーモアあふれる、」
    「「却下!」」
     力強くハモって却下された。

    (僕は友達が少ない 7巻より引用)

    「僕は友達が少ない」はこのカギ括弧の畳用が数多く使われているライトノベルですが、コメディシーンで使われる場合が殆どです。
    普段、仲が良くないキャラクターが声を合わせることでツッコミが強くなっています。

    例2:カギ括弧の畳用

    「お前たち、この光景をしかと目に焼き付けよ! ツインテール、ぬいぐるみ、そしてソファーにもたれかかる姿! これこそが、俺が長年の修行の末導き出した黄金比よ!!」
    「「「モッケケケーー!!」」」

    (俺、ツインテールになります。1巻より引用)

    モブの戦闘員(ショッカーみたいなの)が一斉に返事をする場面です。

    例3:二重カギ括弧

    彼らは、いっせいに、
    『ぴ――――――――――っ!!??』
    ガラスが割れそうな、悲鳴の大合唱でした。

    (人類は衰退しました 1巻より引用)

    妖精さんが一斉に逃亡する場面です。

    例4:カギ括弧の連続

    どこか懐かしい風景。
    「二本足族……」「二本足族がいる……」「二本足族の子だ……」「近い……」「我らの領土に二本足族が……」「気になる……」「とても気になる……」
    ざわめきは、羊たちのものでした。

    (人類は衰退しました 9巻より引用)
  • キリ/刃羽器霧 @mistybladewing 2014-06-29 10:02:11
    @boin_master お早うございます。個人的にはコレ、初めて見たときは感心しました。上手いことマンガのフキダシの技法を取り入れてるなあと思ったので。ちなみに少なくとも15年位前にはもうすでにありました。頻発するようになったのはココ最近だと思いますが……。
  • 鏡裕之@『城主はじめました3』5/30 @boin_master 2014-06-29 10:07:44
    @mistybladewing ぼくは気持ち悪くて仕方ないですね。表現者がずるをしているように感じます。
  • キリ/刃羽器霧 @mistybladewing 2014-06-29 10:27:29
    @boin_master 普段マンガを読まない層は当時の高校生でもそういう意見(気持ち悪い)でした。テキスト領域を描画(漫画的な)画面と見立てる技法(アスキーアートなど)はどうしても文学に慣れ親しむ人と親和性が低い気がします。ラノベの醍醐味の一つだと思うのですがね……。
  • 鏡裕之@『城主はじめました3』5/30 @boin_master 2014-06-29 10:32:43
    @mistybladewing ぼくは作家の観点から述べています。ああいうズル表現に飛びついていると、文章力は伸びません。けれども、作家は年をとる。時代と感性がずれる。別の世界へのチャレンジを強いられる。でも、文章力がないとチャレンジができない可能性が高くなる。
  • キリ/刃羽器霧 @mistybladewing 2014-06-29 11:51:06
    @boin_master なんと言えば伝わるかわかりませんが、ラノベオリジナルの技法が吉本新喜劇みたいな伝統芸になると嬉しいです。基本技術に裏打ちされた特殊な技法として。
  • 鏡裕之@『城主はじめました3』5/30 @boin_master 2014-06-29 10:34:00
    @mistybladewing 作家の首を絞めるから、安易にやるべきではないし、安易にまねるべきではないという考えです。文字をばかでかくするのも以前現れましたが、今は……? あんなのは消え一発芸芸人みたいなものなので、作家に勧められることではありません。
  • キリ/刃羽器霧 @mistybladewing 2014-06-29 11:51:06
    @boin_master なんと言えば伝わるかわかりませんが、ラノベオリジナルの技法が吉本新喜劇みたいな伝統芸になると嬉しいです。基本技術に裏打ちされた特殊な技法として。
  • ルシフ @sinofseven 2014-06-29 12:04:38
    @boin_master 複数人が同時に同じことを言うときには有効だと思うのですがどうでしょう?
  • 鏡裕之@『城主はじめました3』5/30 @boin_master 2014-06-29 19:57:52
    @sinofseven 有効かどうかを言っているのではありません。読み手から見てどうかという視点ではなく、書き手にとってどうなるかという視点で話をしています。そして、書き手から見た場合に、あの安易な表現は文章力の発達を阻害する可能性があると言っているのです。
  • 天衣無縫の亡霊@コミケ落ちたマン @yuyuyu13h 2014-06-29 12:44:24
    @boin_master 小説ではなくライトノベルの表現としてはありだと思います。あれは気軽に読む為に漫画や絵本のような視覚に訴える表現を多用するものなので。普通の「小説」ではナンセンスですけどね。
  • 鏡裕之@『城主はじめました3』5/30 @boin_master 2014-06-29 19:56:44
    @yuyuyu13h ぼくは読み手の視点で話をしているわけではありません。あの書き方が書き手にとってどういう影響を与えるかという視点から話をしているのです。
  • 天衣無縫の亡霊@コミケ落ちたマン @yuyuyu13h 2014-06-29 20:13:14
    @boin_master 確かに三点リーダーの使い方も知らないなどと、最低限の文章に関する知識を持たない人たちが近年増えていますしね。そういった作家さん方が増えていく中でそのような危機感を持たれる気持ちはよくわかります
  • 鏡裕之@『城主はじめました3』5/30 @boin_master 2014-06-29 20:14:43
    @yuyuyu13h 書き手が面白い小説(結果的に緊密な硬)の小説を書こうとすると、文章力が必要となってしまうのです。かぎかっこを重ねるような文章力では、無理なのです。
  • カギ括弧の畳用に対する意見
  • 注:二重カギ括弧は本来『』の意味ですが、「「」」の意味で使っているツイートもあります。

    豆知識:カギ括弧は漢字では鍵括弧ではなく鉤括弧です。鉤は”先が曲がった棒状のもの”という意味です。「の形そのもの。
  • 鏡氏の発言以前のツイート
  • 灰色のまりも @miramarimo 2014-06-27 01:49:53
    会社にあるラノベをパラ見してたら、2人が同時に喋っていることを表すのに「「え?」」って書き方が使われててえ?ってなった
  • 灰色のまりも @miramarimo 2014-06-27 01:51:38
    二重鍵括弧、小説として世に出されている文章には使われるべきではない表現だと思うんだが、そう思うわたしは古いのかな
  • 灰色のまりも @miramarimo 2014-06-28 22:56:09
    二重鍵括弧、私は違和感を抱きますが、これが普通になっていったら「全然+肯定文」のように文法として認められていくのかなと思っております